2018/11/28 22:55

2017年の秋から冬にかけて数回、アルバイトでドイツに行く機会があった。行き先は中西部に位置する、ヘッセン州・フランクフルト。国際金融の中心地で、高層ビルが立ち並ぶビジネスタウンである。正直、ビーズとの出会いは少なそうだな、と思いながら旅に出た。フランクフルト到着後、ホテルに荷物を置いたら軽装でとにかく街をひたすら歩く。おのずとビル街の中でものどかなほうに足が向かっていく。
 最初に降り立ったのが10月、続いて11月、12月と来るたびにどんどん寒く、日が暮れるのが早くなっていった。12月のクリスマス直前なんて日が昇るのが9:00AMころで真っ暗になるのが15:00PM頃と、ほとんど夜に生活しているような感覚。数少ないフランクフルトのビーズ情報をもとに、まずは画材屋さんとデパートを見てまわって小さなガラスの粒ビーズを買った。丸くて艶があって、なにより発色がきれい!「スイング」シリーズはこの粒ビーズとの出会いから生まれました。この丸いケースで売っているのも持ち帰りやすく保管にもいいなあと、機能性と合理性に感心するのだった。VIVIDFRUITSのかたわれ、えいちゃんに電話したり、手帳に絵を描いたり、ドイツワインを飲んだりして日の暮れてしまった後の長い夜を過ごす。毎回滞在は2泊ほどなので2日目が唯一、丸一日過ごせる日になる。朝は早くオープンする博物館や美術館に行ってから、ビーズを見に行く、という楽しみな日でもあります。朝起きて天気が良かったので、ホテルから歩いてセンケンベルグ博物館に向かう。こことても古い博物館で、所狭しと並んだガラスケースの中に剥製が山のように展示されていた。剥製でシーンごと再現した実物大のジオラマが映画のワンシーンのよう。最上階でやっていた特別展は、膨大な量の資料がジャンルによって壁一面のガラスケースに展示されていた。圧巻。真っ暗な展示室に浮かび上がる剥製・化石・標本はどこを切り取っても絵になるし、引きで見るとハレーションを起こしそうに大迫力。うまく言えないけれど、こんな風なピアス・作品群を作っていきたいなと思うような、多様性にあふれた美しい展示でした。そのまま歩いて昨日歩き回ったショッピング街のはずれにあるという、小さなビーズ屋に向かった。魔法が使えそうな初老の女性がやっているちいさなお店。一歩入ってうれしくてにやついているとまじまじと顔を見られて急に恥ずかしくなって、赤面してしまった。「みてもいいですか?」と聞くと、静かにうなずいてくれた。行ったり来たり、ウロウロして「買いたい」というと、ビーズを入れるバスケットを渡してくれて、それからどれくらい居たのでしょう、、、時々足元にいる可愛い犬を撫でたりしてのんびりみていると、「息子を迎えに行かなきゃ、あなたまだ居ていいけど待ってる?」というではありませんか!随分信用されたものです!すぐにお会計をしました。ビーズの産地を聞くと、ギリシャ、イタリア、チェコ、ドイツ、とどれもワクワクするものばかりで夢のような時間でした。
珍しい質感と色で、気に入って買った円錐型のビーズ。イタリア・ミラノにあるたった一つの工房しか作れないスペシャルなビーズだと教えてくださいました。最初は曇りガラスのような風合いの表面が、身につけて自分の肌に当たることでその「自分の肌の照り」をビーズが纏っていってどんどんシルクのような質感に変わるというではないですか!聞いてるだけでうっとり。このビーズは個数が限られていたため、作ったピアスはほぼ一点ものな上におそらく再販もできない限定品になったのでした。このようにして、旅に出ると鬼のように歩き回る。文字通り足が棒になるまでひたすらひたすら歩きます。(現地語の公共交通機関が面倒臭い!のもあります)これからもVIVIDFRUITS的旅行記は続きます。次はどこへいくのでしょう。いいビーズとの出会いがありますように!!!